おはようございます。
明日から仕事なので、既に憂鬱としております。行きたくないね仕事
さて、今回書評していくのは「実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ 」です。
この本を図書館から借りて読みましたが良かったです。
やはり中公新書に収録される書籍ははずれがほぼないところが素晴らしい。
ある意味査読と同じでかなり僕は中公新書として出版された本は、良質なものが多いと信頼しています。それでは書評していきます。
①平等化することでちょっとした違いが気になり始める。
トクヴィルが平等化を促したものとして、キリスト教のプロテスタンティズム、銃、印刷、郵便といったものを挙げています。
詳細は後述しますが、人類は平等化の方向へ舵を切っているというのが本書の基本スタンスです。(もちろん実態は格差があると本書では述べられていますが)
この平等化って良いことばかりではなくて、平等ということは皆が同じですからちょっとしたことに気になり始めるという弊害が生まれると述べられていますね。
最初から格差があるものと認識していると、そこまで人は敏感に違いを気にしなくなるということです。
身近な例を挙げると、大谷翔平。
次元が違いすぎて自分と比較しようとも思わないですよね。
②平等化を促したシステムとして郵便に着目しているところがおもしろい。
この郵便というシステム インターネット全盛期になってラインやメールなどに情報伝達のシステムが置き換わっていますが、この郵便というシステムが平等化を進めた要因として説明されています。
昔は宣教師などの一部の人しか文字を読めないからこそ、権威があったのですが、「読める人が増えてくる=平等化していく」ことになると述べられています。
その通りですよね。これは現在の大学のシステムも言えるかもしれません。
時代が進んだから僕のような人間も大学に進学できるようになりましたら、今の祖父や叔父の世代はむしろ大学に行く人が少なかったがゆえにエリートとしての権威があったようです。
③熊谷晋一郎「自立とは依存先を増やすこと」この言葉大好きです。
この本に「自立とは依存先を増やすこと」という名言が出てきます。
これはまさにその通りだと思っています。自立というと何でも自分だけでできることと捉えがちですが、まったく逆なんですよね。
働いて給料をもらうということは、色々な人と協力して収益を出す営みなので、
むしろ人に頼れる+助け合っていくことが自立への第一歩だと僕は思っています。
本書の中に学生運動をしていた若者におにぎりを作ってあげていたのは女性だったという記述がありました。
そう革命だどうのこうのと大言壮語するのにも支えてくれる人がいるからです。
そこに気づかずにやれ平等化だのと言っても誰もついてこないわけです。
時代は繰り返すと言いますから、私の生きている間に学生運動とか起こりそうですよね・・
自分からしたら親に学費払ってもらって学生運動なんでアホだと思っているのですが・・・
こんな感じですかね。
本書は政治の本というわけではなくて、色々な切り口から民主主義への考えを収録している本になります。
ゲームやTIKTOKなどの話題も出てくるのでなじみやすい本だと思います。
TIKTOKは別世界すぎておっさんついていけないよ・・・
![]()

