おはようございます。本日は秋分の日ということで、うれしいですね。
ただ月曜日から仕事で疲れていて、やはり疲労が抜けないですね・・・
さて、今回は書評の記事。
最近は、良書になかなか恵まれず記事を書けるような本が無かったのも更新が途絶えていた理由の一つです。
(私生活が忙しくて脳みそが疲れているからかね・・・??)
今回書評していくのは「日本のコメ問題 5つの転換点と迫りくる最大の危機 (中公新書)」です。
私実家が農家なので、米を店で購入したことがありません。
ありがたい限りです。
ただ実家も年をとってきて、農業からの引退も視野に入ってきている非常に切実な問題です。
最近のニュースでは米が不足して備蓄米の放逐などやはり自然を相手にするというのはなかなか人間がコントロールしにくいものです。
印象に残ったところと本書の良いところをピックアップしていきますね。
①コメ問題は田んぼ余り問題がその本質にある。
この本の良いところは最初から結論を記述しているところです。
そうコメ問題は、「田んぼ余り問題」なのです。
え?? この前コメが足りなくて価格が高騰しているのにどういうこと?と思われる方もいると思いますが、この田んぼ
田んぼは稲を育てるようにしか使われないものです。
畑なんかは、他の作物を耕すなどができますが、田んぼはそれが難しいのです。
なので田んぼはコメ専用農地なのです。それが本書でも記述されています。
当然農作物はその年の天候によって、不作や豊作がありますから調整が難しいのです。そのことを分かりやすく記述しているのが本書になります。
②日本の田んぼは各地に農家が分散しているので、アメリカのようにヘリコプターで種を蒔いて収穫等の効率のメリットが発揮できない。
日本のコメ農家は、全国各地にそれぞれ自分の田んぼを耕しています。
ここが米問題の難しいところで、田んぼの所有権がそれぞれに分かれているのです。
それは見方を変えると、個人でそれぞれやれるので裁量は大きいのですが、
国全体のコメの栽培から収穫といった面で見ると、効率性がなくなってしまうのです。(※でも自分の裁量を大きくしたいというのは人間の本質だと思います。自分も好き勝手やるのが好きですから)
本書では、アメリカの例が挙げられています。
アメリカは東京ドームの面積ぐらいの土地にヘリコプターで種を蒔いて収穫もトラクターでそれに合わせて自動ですごく効率化されていることが触れられています。
日本ではなかなか難しいのです。どうしても個人で田んぼを経営するので、
ヘリコプターを購入してコメを作ろう!という動機がないですよね。
やはり効率という観点からお米を見ると、
農業も組織で行う方が効率がよくなるという一例ですね。
まあ人間効率だけで動くものじゃないんだよなぁ・・・と思いながら私は読んでいました。
自分もやっぱりコメを作る立場になると自分で主導権を握って好き勝手にやりたいですし。
こんなところでしょうか?
日本人と米は切っても切れない関係にあります。
今回の記事では、触れませんでしたが、米の歴史や関税、
補助金問題にも触れているので、米を多角的に捉えることができて面白い本でした。
興味のある方はぜひ読んでみてください。




