知っておくと得する会計知識292 富岡製糸場は初期は赤字の垂れ流し 黒字化は子どもや女性の犠牲の上に

日本という社会で生きていく上で労働というのは逃れられないものです。

辛いことのほうが多い仕事 それでも働き続けることで我々の社会を支えているのでしょう。

 

今回はかなり真面目なテーマ「冨岡製糸場と労働環境について」

今回引用させていただく書籍は、以下の書籍です。

なぜか最近実生活と対照的に良い本に出会う確率が上がってきている筆者でございます。内容は暗くなるというか嫌というほど現実と向き合わされるものですが・・・

 

上記のP76から引用しますと冨岡製糸場は模範工場でしたが経営は赤字を垂れ流している状況でした。模範工場ですから民間に払い下げるまでは8時間労働だったそうです。

 

業績の上がらない冨岡製糸場はどうしたかというと労働時間を長くして三井に払い下げが決まる頃には11時間弱に労働時間は伸びていたようです。

 

現在もこの構図は全く変わっていませんよね。8時間労働と法律では申し訳程度に書いているけど実態はそれよりも長い

 

この労働時間の延長によって黒字化を達成し日本の外貨獲得に貢献します。

好況時は18時間労働だそうです。そして過労死大国日本は明治時代からその風土がもうできあがっております。昼夜2交代制は産業革命期の英国にもなかった制度であり、日本の開発だそうです

 

これを子どもや若い女性が安い賃金で働かされていたのです。

競争力の源泉が社会的に弱い立場の犠牲の上に成り立っていたということを我々も忘れてはいけないと思います。

 

実際に仕事をしている人は分かると思いますが業務量が8時間で全て終わることってまずないのです。どれだけ効率性を上げたとしても人間のこなせる量には限界があります。電力が発生した電気を全て使えないのと同じように労働も効率が100%になることはないのです。

 

もちろん効率性を上げる努力を怠ってはいけませんが・・・

令和の時代ですが冨岡製糸場のような企業はまだありますね。

人間と労働 考えさせられる一冊です。ぜひ読んでください。