知っておくと得する会計知識276 STAP細胞事件よりノバルティス事件の方が実はやばい

お疲れ様です。まず謝罪からはいらせてください。

知っておくと得する会計知識275で売掛金と買掛金の記事で重大な誤りがありましたことをお詫び申し上げます。資産負債の判別方法じゃないですね。読み返していて気付きました。

 

気持ちを切り替えて今回のテーマは研究費に関するテーマです。

STAP細胞事件とノバルティス事件」について

 

前者に事件が圧倒的に有名になりすぎて、後者の事件は意外と知らない人が多いのではないかと思います。日本において研究とカネの関係を考えるうえで後者のほうが明らかにやばい要素を含んでいます

 

STAP細胞事件はみなさんもご存じの通り、OHさん含めた研究不正事件です。

理化学研究所という日本で一番の研究機関の信用を落とした点でも絶対に許されない事件です。詳細を知りたい方は下記URL参照

stemcells.or.jp

ちなみにこの研究不正に使われた税金ですが「研究不正 科学者の捏造、改竄、盗用 黒木登志夫著 中公新書」(以下参考資料と書きます。)のP121に書かれています。2015年11月に会計検査院は、この事件に関わった費用は以下の通り報告しています。

2011年~2013年度の研究に要した費用(再現実験などです。) 5324万円

2013年~2014年度の調査費用 9170万円

合計1億1995万円が税金から支払われています。

なお迷言製造した彼女は60万円を理研に返還しただけだそうです。

 

まあこのようにSTAP細胞事件はひどいですが、これよりもノバルティス事件のほうが参考資料では、日本の科学界にとって闇が深いと著者は述べています。わたしも読んでいて確かにこちらの事件のほうが日本にとってはやばいように感じます。

 

ノバルティス事件とは、別名ディオバン事件で説明していますね。

 

ディオバン事件(ディオバンじけん)とは、高血圧治療薬であるディオバン(一般名:バルサルタン)の医師主導臨床研究ノバルティス日本法人であるノバルティスファーマ社の社員が統計解析者として関与した利益相反問題、および、臨床研究の結果を発表した論文のデータに問題があったとして一連の論文が撤回された事件を指す。

ディオバンの日本での臨床研究には、5つの大学が関わり、2018年8月にNagoya Heart Study論文が撤回され、関係論文のすべてが撤回される異常事態となった事件。

ja.wikipedia.orgより引用および一部修正

 

上記は少し長いですが、削れるとこは削ったので読んでください。

 

この事件がやばい理由は、民間会社からの研究費用と研究者の研究資金問題という切実な問題を提起しているからです。日本の研究費が年々減らされていることは周知の事実ですよね。創薬研究というのは、研究に莫大な投資が必要というのは、何回も会計テーマで取り上げています。

 

このノバルティス事件のまずいところは、研究資金を得るために大学という真理を追究しなければならない場所が会社の圧力に屈したということです。つまり日本の研究資金への助成が足りないことがこの事件を生み出したという別の側面をはらんでいるわけです。

 

ノバルティス会社は都合の良いデータを出してくれれば政府よりも資金を出してくれるわけですから研究者がそれにのっかってしまったということです。STAP細胞事件を研究者だけの範囲で損害を被りましたが、この事件は一般市民への治療薬に関連していることからそれだけやばいのです。

 

もっと悪質だと思うのはこれを見た人が科学的なデータを信じなくなる。反ワクチンのようなやばい考えの人を増やすことに間接的につながってしまうという問題も抱えています。

 

何で日本のマスコミはこういうほうを報道しないのですかね・・・・