こんばんは明日からまた月曜日ですね・・・
この時間帯は憂鬱な方がほとんどなのではないでしょうか?
今日も一日中寝てましたね あと読書
しかし、ここ最近で一番といっても過言ではない本に出会えました。
ジッドの國部俊宏役の「ソヴィエト旅行記」です。
この本は共産主義が失敗した理由の本質を実際に現場に足を運んで鋭い観察眼で書き表しています。ジッドと訳した國部さんの優しい人柄が文章からも滲みでています。
ぜひ読んでほしい本ですが、そんな時間のない人も多いでしょうから自分の心に響いた文章を引用および感想を書きます。(まだ読了していないのですが・・・)
要約としてはジッドが社会主義を達成した国がどのようなものだろうと期待を持って視察したところスターリン体制のソ連を見て失望し、その理由を述べている本です。
またジッドの偉いところは、共産主義に賛成していた立場が実際には間違っていたと認めたことにあります。自分の過ちを認められるというのはなかなか難しいのです。
今でこそ共産主義はやばい思想みたいなイメージですが、当時は世の中の天才達が新しい時代が来たと好意的な目で見ておりました。実際は歴史が表わす通りでしたが・・・
それでは引用および感想を列挙します。
嘘は、たとえ沈黙という嘘であったとしても、時には都合のよいものに見えることがあるし、嘘を頑迷に貫き通すことが都合のいいこともある。だがそれは敵に絶好の機会を与えることにもなるのだ。それに対して、真実はたとえ痛みを伴うとしても、癒やすためにしか傷つけないものなのである。(P29より引用)
この文章力に感嘆させられるとともに私の頭に浮かんだのは以下の画像です。
ここで私が思うのは嘘よりも真実のほうが人間って知りたくなりませんか?
もちろん嘘をつくのが大事な場面も多々ありますよ。けど人間は最終的には自分に嘘はつきたくないじゃないですか?
共産主義は良い面のみしか見せない、悪い面を徹底的に隠すことで素晴らしいと思わせるような構造を持っているような気がしますね・・・
しかし、質を気にするためには、まず量が十分になくてはならない
(P52より引用)
共産主義はいわゆる不足の経済という、需要にたいしてあまりに供給が少なすぎたことが失敗の構造にひそんでいます。これは経済に限らないですよ。
野球の練習や勉強なんかもそう 質を気にする前に十分な量をつまないと向上はないのです。大谷選手なんかもまずは量と言っていますよね!
大事業家から小さな商店主まで、誰もがみんな悩み、そして創意工夫しているフランス人の人々に思いを馳せずはいられない。大衆の趣味に合わせるにはどんなものを作ればよいのか、ライバルを押しのけるような、磨き抜いた製品を作るために、どんな細かなアイデアを絞り出せばよいのか、フランスでは一人一人がしのぎを削っているのだ!(P54、55より引用)
私が共産主義が失敗した理由を一言でまとめろと言われたら「競争原理が働かなかったから」と迷わず答えます。競争無き世界に努力は生まれないですからね。
もちろん過当競争はそれはそれで問題ではありますが、やはり競争なき世界に向上はないと思うのです。競争があるからこそ比較できるようになりそれぞれの良さが浮き出てくるのです。
全てのアニメキャラクターがヒナギクしかいなかったら、ヒナギクの良さは浮き出てこないのです。私は10年以上経過して彼女以上のヒロインはいないと確信しております。
出てきたらそれは生み出した作者が天才ということです。どうなりますかね・・・
正直ここに書き切れないぐらいまだたくさんあるのですが、共産主義が上手くいかない本質部分は抜き出せたかなぁ・・・と思っております。
この本は、今年度一番響いた本かもしれない・・・それぐらい良い本です。