めちゃくちゃ良い本に出会って感動したので記事を
この本めちゃくちゃ素晴らしい しかも多分すっごい貴重な文献
タイトルは自己啓発みたいな感じですが、内容は全く逆です。
上記から概要を引用します。
2019年4月、早稲田大学 先進理工学部に一人の全盲の学生が入学した。小学2年生の時に全盲となった彼女は、筑波大学附属視覚特別支援学校中学部、都立高校を経て、早稲田大学を受験。みごと現役合格を果たしたのである。そこで課題に直面した。(略)
どのようにすれば全盲の学生に大学の実験科目を履修してもらうことが可能なのか。この課題に、中心となって対応したのが、(略)技術部に所属する技術職員たちであった。
彼らはつねに彼女に寄り添いながら、学内外のステークホルダーたちを巻き込みつつ、高等教育機関として、当該の実験科目を通じて彼女に何を伝えるべきなのか、という根本的な問題意識の下に奔走する。
(略)
ダイバーシティやインクルージョンの重要性が叫ばれるなか、視覚障害教育に携わる人たちにとってはもちろん、すべての教育関係者にとって貴重な示唆に富んだ、他に類を見ない一冊である。
数ページ仕事行く前に図書館で読んだらこれはすごい!と圧巻したため、急遽借りました。
まだ読破していませんが、視覚障害の女学生に理工系で実験のたくさんある学びをどうやって保証するかを詳細に書いた本です。
おそらく我々も操作が難しいような器具である解析装置やガスバーナーなどを使うという難題に挑戦した記録です。これを視覚障害を抱えながらも乗り越える実践がもうすごい。
印象に残った文章を紹介しますね!
「合理的配慮」の実現のためには、財政的な裏付けが必要です。(略)
こうして、人的・物的な環境整備があってこそ、「合理的配慮」も実質的な意味を持つのだと思います。
P26 より引用
上記の言葉は実際に実践にあたった長年、盲学校教員経験を積んだ方の言葉です。
(鳥山由子さんという方)
そうこの言葉が印象に残っているのは良い教育を行うためには人的・物的な環境整備に財政的な裏付けがないとダメだということ。自分は現在会計の仕事をしているからかもしれませんがそうお金の問題から目を背けてはだめなのです。
学校の先生の待遇を放置している国ですが、このままで良い教育が行えるはずないんですよね。
視覚障害は他の知覚機能でカバー
P32より
そう人間には色々な知覚方法があります。なんのために他の知覚方法があるのかというのを考えさせられる言葉です。耳で聞く 触って感じる
実際に「やる」という経験 これは視覚障害の人に限らず今の人たちがなかなか実際にやる体験が減っている中で考えさせらることだと思います。
例を挙げると野球 バッティング 守備 見るだけだと簡単そうに見えますが実際にやるとなるとあれすごい難しいです。
プロ野球で文句しか言わない人いますが自分でバッティングセンターに行って120キロのボールを打つ経験をしたらどれだけプロがすごいことをしているのか実感できます。
実際にやるという経験に勝るものはないと思っています。教育も一緒ですね!
教育と研究を使命に、その成果をして社会に資するこそ大学の存在意義です。
「全盲の方だから受け入れはできません」というのでは存在意義が問われます。
P36
これ教師が言いそうだと思った方 違うんです。
早稲田の事務職員の方が言った言葉です。
ああ早稲田の事務職員はかなりレベルが高い意識で仕事をしているのだということを実感させられました。大学は義務教育ではありません。
大学の存在意義をきちんと教育基本法から捉えている。このレベルを事務職員の方が持っているというのにもう感動しました。教師に熱意全く負けてないです。
めちゃくちゃ良い本です。このレベルの人材をそろえられるのがさすが早稲田だと思いました。こういうところが野球でも好きなんですよねぇ・・
熱い人が多い印象です。
長くなりましたがぜひ読んでみてください。
値段はしますが4000円の価値はマジであります。